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名古屋での挑戦

新規立ち上げ

私が勤務する八幡小学校は、昨年2022年4月名古屋市内に楠小学校と共に2校同時オープンしました。
児童数700人の食事を社員4人、パート3人の7名で調理提供しています。
名古屋市では2016年より民間委託が開始され、現在、名古屋市内小学校262校のうち42校で調理業務が委託化されています。今後も継続して新規受託できる商機ある地域になります。

フジ産業としても初めての自治体

オープンするにあたり岐阜県の事業所で5年間働いていた私は、名古屋市のやり方を教えていただける人も周りにおらず、どんなメンバー、栄養教諭、新しい環境でやっていけるのか、配属されるまで不安な気持ちが非常に大きかったことを覚えています。

自分達で切り拓いていくしかない状態で私達には非常に大きな壁がありました。
先ほども申しましたが、名古屋市は民間委託が始まってさほど時間が経っていません。
学校や保護者など委託業者に対しての信頼は薄いように感じられました。
私たちも仕様書を見るなり、調理方法、手袋の着用方法、衛生面など、私たちの常識が常識でないことが多くありました。
立ち上げ当初は簡単には受け入れてもらえず、私たちも名古屋市の作業方法に慣れるまでに時間を費やし、頭を悩ますこともありました。
『まずは顧客からの信頼を得る事』
どうしたら顧客に安心感を与えられるか。
おいしい給食はもちろんのこと、私たちは安心して食べられる給食を提供しなければなりません。起こりうる問題を未然に防ぐこと。
異物混入は起こり易いため、各工程でのチェックを徹底し丁寧な仕事をする事や、栄養教諭の要望を受け入れることで少しずつ信頼してもらえるようになりました。
出来ることから着実に取り組み、これからも学校との関係を築いていきたいです。

また、施設は器具類も限られており、スチコンや冷暖房なども設置されておりません。下処理や洗浄エリアは調理室内に一体化された昔ながらの施設になります。決して充実している施設とは言えない現場ですが、長年の経験を持っている主任を中心に、他社員も東京、三重、愛知、岐阜の現場で得た経験と知識を集結させ、栄養教諭に相談や提案をすることで、学校側と調理室との信頼関係が構築されていると思っています。

やはり大事になってくるのは、コミュニケーション

給食調理はチームプレーだと思います。ひとりでは決して出来ないですし、意思疎通がかなり大切だと感じます。
私はサブチーフとして、主任の補佐と他のメンバーのフォロー、意見の吸い上げが仕事だと思っています。
幅広い年代と経験値の違いがある中で、理解するのが難しかったり、なかなか意見を言えない人には、どう受け取ったのか。どういう意図での行動だったか耳を傾けるように心がけています。
今まで目上の方に囲まれて仕事をしてきた私ですが、名古屋に就いてから同年代や年下と関わることが増えたことで視点が変化しました。
これまで一緒に働いてきた方々にはたくさん知恵をいただき、まだまだですが成長させてもらいました。もちろんこれから学ぶことはたくさんありますが、ここ数年で自分が教える立場になり一緒に働く人に、もっと成長してもらいたいと思うきっかけにもなりました。
それと同時に伝えることの難しさも痛感し、今まで指導してくださった上司たちの凄さも知りました。

給食を作る楽しさと言えばやはり子どもたちの笑顔です!

八幡小に赴任して初めに驚いた事は残菜の少なさです。少ない時には700食で3kg切ることも多々あります。やはり残さず食べてくれる事は私たちのモチベーションに繋がりますよね。
そして子どもたちの食器、食缶返却時の”ごちそうさまでした!”の学校中に響きわたるような大きな声。
学年末には”1年間おいしい給食ありがとうございました”の感謝の言葉に思わず涙する社員もいました。良く耳にする言葉ですが、直接言われるとやはり嬉しいですし、作る人にしか分からない特別な感情だと思います。
入学したての頃は小さかった1年生も、1年間ですっかり大きくなり、見ているこちらも嬉しいですし、少しでも子どもたちの成長の手助けが出来ていればいいな。そんな事を思います。そしてまた1年頑張ろうと思えます。

食育

名古屋支店の学校事業所に勤務している栄養士の一部では、夏休みの調理業務が無い期間を利用し、園児、児童向けに食育に関する資料・動画等を作成しています。パワーポイントや紙芝居など作成した資料を、現在受託している各学校へ提供し活用して頂いたり、児童の前で講演を行ったりしています。
今年度は名古屋市で取り組んでいる『地産地消』について取り上げました。調べていくうちに自分自身も知識や理解が深まります。
私たちの業務は調理中心ですが、「食べる事以外からも食への関心を高めてもらいたい。」「苦手なものの克服や将来、食に関する仕事に就きたい。」そんなきっかけにもしなれたらそんな嬉しいことはないです。

私たち学校調理員は、メニュー作成や食材発注を行うことはありません。
調理指示書や栄養教諭の指示のもと行うことがルールになっており、出来ることが限られています。その中で自ら発信でき、他支店でも行っていない新しい事への取り組みはやりがいを感じられる一つであります。

これから

オープンしてから2年弱。
まだまだ改善点はあります。

来年度以降は給食施設の建て替えを控えており、仮設施設での簡易給食や新施設での調理も予定されています。
初めての経験は不安もありますが成長を感じられるので楽しみでもあります。

現在名古屋市は3校ですがこれから増えていくと思われます。
チームワークを大切にして、現状に満足することなく全員が同じ方向を向ける現場を作っていきたいです。
そして他事業所とも協力しながらこれからの会社の事業拡大に貢献出来るように頑張りたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

長野 見音(ながの みお)

CFS事業本部 名古屋支店所属 事業所副主任

2017年入社
学校事業所にて給食調理員業務に従事
主な業務内容は、食事提供、事業所運営管理、
スタッフマネジメントなど

 

 

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