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チームで作る給食とは

13時30分。「ご馳走様でした〜‼️」
次々と運ばれて来るワゴン。
今日の食缶は軽いかな?重いかな??
子供達は全部食べてくれたかな?と毎日そんな事を考えながら、午後の作業に一喜一憂しています。

私達、給食調理員は栄養士先生から頂いた調理指示書をもとに調理をしています。
和食、洋食、中華、時には食文化の違いなどを学ぶ為、あまり食べた事の無い海外のメニューが入る事もあります。
使う食材も調味料も指定の物。
最終的な味の判断も栄養士先生と共に行います。
調理作業も当日作業が原則。前日から仕込みなどは出来ません。
どのようにして限られた時間の中、美味しい給食を作るかが、私達調理員の腕にかかっているのです。

 

早朝の納品から始まり、検品、野菜の洗浄、切り込み、ボイル、調理、配缶、提供。
ここまでで子供達の食べる時間に間に合わせる必要があります。
給食での難点は食べるまでの“時間”です。
レストランや食堂では1人分なので、出来上がってすぐに目の前に提供され、出来たてを食べる事ができます。
しかし給食では、そうはいきません。
大量の料理をクラス毎に分け、ワゴンに乗せて各階に運び、授業終了のチャイムと共に子供達に渡す事となります。
そこから給食当番の子供達がクラスで盛り付け、やっと食べ始めるという流れになります。準備の遅いクラスは、果たしてどれだけ時間がかかることやら。

この時間を考慮して、味を決めないといけないといつも考えています。
栄養士先生と1番良い塩梅を探しています。
そして、できる限りギリギリの時間を設定して仕上げる事も必要です。
この想いを事業所全体で共有し、全員で作業にあたる為には、時計を見ながら行動できるチームでなくてはなりません。

昨年(令和2年)はコロナの影響で、給食の始まりもいつもより2ヶ月も遅れてしまいました。
ずっとお休みしていたパートさん達も、久しぶりで不安と期待が入り混じったスタートとなりました。
丁度暑くなり始めた頃の調理場は、フライヤーの熱と回転釜の湯気で40℃を超える事もしばしばあります。
久しぶりという事もあり、いつもより体の慣れが遅く、普段より段取りも悪くなり、連携もうまくいかない時が多いように感じました。
まずは、体調を優先してこまめな水分補給や休憩をするなど声を掛け合って作業にあたりました。今思うと、倒れた人がいなかったことは奇跡としか言いようがありません。

 

私は業務にあたる上で、社員も含めてパートさんの仕事内容も詳しく聞き込み、「これまではこうやって来た。他にはこういうやり方もある。」と色々な意見を取り入れて、「どうやったらスムーズにいくか」「効率がいいか」を話し合うように心掛けています。
この時私は「こうやって!」と言わず、「これはこういう理由があってこうしなきゃいけない」という事と、何故そうなのかが理解出来るよう説明して話を進めます。そうすると覚え易く、他の人に教える時も説明が出来るからです。

初めは、今までと違うやり方をするという事が受け入れられない、苦手な人もいました。ですが、実際やってみると何故今までこのやり方だったのだろう。と思う人も出てきました。「じゃあ、このやり方は?」と意見を出してくれる人も出て来るようになりました。
意外と最初の一歩を踏み出せば、変わる事はそんなに悪い事じゃ無いと実感したのだと思います。
少しずつではありますが、確実な一歩が踏み出され始めました。

このように意見交換を行っていくと、社員とパートさんのコミュニケーションが取れてきます。お互いの仕事にも理解が深まってきます。工程表や指示書を確認する人が増えてきて、帰りには翌日の打ち合わせもしていくようになりました。
工程を確認する中で、「明日私アレルギー担当だ!」と不安になる新人パートさんがいましたが、ベテランパートさんを中心に説明が始まると、その他の人も一緒になってウンウン。と確認しあっていました。

給食で1番気をつけなくてはいけないのが、「アレルギー用除去食」です。
私達さいたま市の学校では、アレルギー物質を除いた除去食を基本として提供しています。
例えば、乳製品が食べられない生徒のクリームシチューは、ベシャメルソースを抜いた野菜スープになるといった対応です。この場合、作っている最中に取り分ける必要があります。
直前で温め直し、一食分でも冷めないようにする事も忘れません。
盛り付け担当はパートさんのお仕事になっています。不安になるのも分かります。
この場合、社員のみ理解していても成立しないので、事前の打ち合わせや朝礼時での担当確認、盛り付け方法など全員に詳しく説明します。
当日何パターンも除去内容があると、混乱して間違いがあると大変だからです。
一つずつ個人カードと照らし合わせて、確実にその生徒の元へ行くように栄養士先生と共に確認していきます。
朝礼にて全員の前で確認する事は、いくつもの目でミスに気づく為にとても重要だと思います。実際に、サラダの仕上げに入る胡麻を除去食に入れ忘れている事に気がついてくれるパートさんもいました。
忙しい時こそ、出発前に「チーフ!アレルギーの確認お願いします!」と声を掛けてくれるパートさんにいつも感謝しています。

 

このように、給食は社員だけ、パートさんだけで作り上げる事は出来ません。
皆が野菜を切ってくれたり、お皿を数えてくれたり、汚れがないか確認してくれているから、安全で美味しい給食を提供出来ているのだと私は思います。
2階建ての給食室では、私だけの力ではどんなに頑張っても全てをやるという事には限界があるからです。どんな仕事にも意味があって、それぞれが繋がっているという事を理解しあってこそ最高のチームになると思います。
給食の時間が子供達にとって楽しい思い出になってくれたら幸せです。
結成してまだ1年の私達ですが、これからももっと高め合い最強を目指していきたいと思います。そして、毎日一生懸命作業にあたってくれているメンバーに感謝を伝えたいと思います。
いつも支えてくれて、ありがとうございます。これからも一緒に頑張りましょう!

長い話になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

安齊 美希

2012年入社。CFS事業本部 東京学校保育園支店所属 事業所主任

学校事業所にて給食調理員業務に従事。

主な業務内容は、給食提供、事業所運営管理、

スタッフマネジメントなど。

受賞歴:2019年度 改善活動支店長賞受賞

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