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「先ずは聞く」から始まるコミュニケーション

給食業界に転職し十数年、その半数は当社に在籍し福祉施設にて給食業務に従事しており、この8月度から異動となり、新しい環境のもと日々の業務に取り組んでいます。基本的には食事に対しご自身に選択肢が無く且つ、不特定多数で健康を重視し、嗜好的にも満足度を求められる福祉施設での食事の提供は、外食にはない難しさや厳しさがある反面、私たちが作った食事を日々楽しみにして頂いているご利用者様がいらっしゃるため、とても重要な仕事であると考えています。

福祉施設での給食業務とは

福祉施設での給食業務は、食事を提供するだけでなく、その食事がご利用者様の健康や生活の質にどれだけ貢献できるかが問われる仕事です。ご利用者様の中には、特別な食事制限が必要な方もおり、アレルギーや嚥下困難など、さまざまなニーズに応える必要があります。

そして、これらのニーズに合致した美味しい食事を提供するためには、ただ料理を作るだけでなく、コミュニケーションが不可欠です。食事に関する希望や不安、健康状態などを的確に把握し、それを反映させたメニューを提供することが求められます。

食事提供の難しさとやりがい

福祉施設での食事提供は、外食業界とは異なり、さまざまな難しさを抱えています。ご利用者様の健康がかかっているため、食事内容や調理方法には細心の注意が必要です。また、一つのメニューが全ての方に合致するわけではなく、個別のニーズに合わせた調理が求められます。これは、調理スタッフにとっては大きな挑戦であり、時にはプレッシャーを感じることもあります。

一方で、この仕事から得られるやりがいは計り知れません。私たちは、ご利用者様の健康や生活の質を向上させる一環として、毎日の食事を提供しています。食べることは生活の中でも最も基本的な行為の一つであり、美味しく食べることができることは、生活の充実感につながります。そのため、私たちは食事の提供において最高の品質を求め、ご利用者様が笑顔で食事を楽しんでいただけるよう努力しています。

コミュニケーションの重要性

給食業務において、コミュニケーションは不可欠な要素です。しかし、そのコミュニケーションには様々な側面があります。まず、ご利用者様とのコミュニケーションが大切です。ご自身に選択肢がない方々の代弁者として、彼らの声を聞き、理解し、それを反映させることが求められます。そのためには、「先ずは聞く」という姿勢が重要です。

また、給食業務では検食者や利用者様のご家族、施設のスタッフともコミュニケーションを図る必要があります。特に検食者からの厳しい意見や要望に対処することは、時に挫折感を感じることもあります。しかし、このような難しい状況でも、「先ずは聞く」という姿勢が、問題解決の鍵となることがあります。

挫折からの救い

この仕事において、時には心が折れそうになる瞬間もあります。しかし、その中で私を支えてくれたのは、ご利用者様からの「美味しかったよ、ありがとう」という言葉でした。この簡単な言葉が、私たちの仕事の意義を再確認させ、前向きに努力し続ける原動力となりました。

そして、これまで大切にしてきたのは、「先ず聞く」と「笑顔で明るく元気な挨拶」です。難しいことから目を背けず、逆境に立ち向かうためには、まず相手の声を聞き、その上で行動することが不可欠です。また、笑顔で明るく元気な挨拶は、コミュニケーションを円滑にし、関係性を築くために非常に有効な手段です。

相互理解と人間関係の構築

私たちは、コミュニケーションを通じて相互理解を深め、ご利用者様や関係者との信頼関係を築く努力を怠りません。何度もコミュニケーションを重ねることで、お互いの立場やニーズを理解し、共感することができました。そして、人間関係が構築された結果、食事の評価も向上し、ご利用者様がより充実した生活を送る手助けができました。

新規採用者へのサポート

また、給食業界への新規採用者のOJTにおいても、「先ず聞く」と「声を掛ける」ことが重要です。特に、外食から転職してきた新規採用者にとって、福祉施設ならではの食事形態を理解することは大変な課題でした。しかし、コミュニケーションを通じて、彼らがわからないことや不安なことを解消し、段取り八分の丁寧なOJTを提供することで、早期の独り立ちを実現することができました。

結びつくコミュニケーション

改めて考えると、「先ずは聞く」ことから始まるコミュニケーションが、私たちの業界において非常に重要であることを実感します。コミュニケーションを通じて相手の声を聞き、理解し、協力し合うことで、多くの困難に立ち向かい、関係性を構築し、給食サービスの向上に貢献できるのです。

 

異動前の事業所での経験談を振り返りながら、私たちは「先ずは聞く」ことから始まるコミュニケーションの重要性を再確認しました。今後もこの原則を大切にし、相手を理解し、共感し、協力し合いながら、給食サービスの向上に努力していきたいと思います。お互いに支え合いながら、より良い食事と生活を提供し続けましょう。

 

上岡 ゆり

CFS事業本部 北関東支店所属 事業所主任

2016年入社
福祉施設事業所にて給食調理員業務に従事
主な業務内容は、食事提供、事業所運営管理、
スタッフマネジメントなど

 

 

 

 

 

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