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新しい現場で新しい仲間とともに

神戸市立なぎさ小学校は、20244月に神戸市内に他4校と同時にオープンしました。

なぎさ小学校という名前の通りに神戸港からほど近い場所にあり、震災後に建設された校舎で比較的新しく広々とした給食室です。

神戸市はこれまで親子給食を実施していませんでしたが、同時にオープンした5校は親子給食を開始する上での受託となりました。なぎさ小のみ翌4月から小学校同士の、他4校は2024年の10月より中学校との親子給食を実施しています。

  2024年度は児童数380名ほどの食事を社員3名、パート3名の6名で調理していました。今年度より親子給食が始まったことで近隣の春日野小学校280名の食事をなぎさ小学校で調理し、配送しています。それに伴い親校の調理員として社員1名、パート1名、子校の配膳員としてパート1名、配送ドライバー1名が仲間に加わりました。

私自身は、他社でおもに福祉施設での調理業務に長く携わっておりましたが、転職を機に福祉施設から小学校給食へとフィールドを換え、業務に当たっています。入社後は尼崎市で小学校給食のイロハを教えていただいたのち、フジ産業の神戸市への開拓とともに神戸市の現場へ異動しました。なぎさ小のオープンとともに主任を任せていただき、2年目になります。

なぎさ小オープン当初は神戸市給食未経験の方が中心で、新しい環境での作業に慣れてもらうところから始め徐々に給食業務になじんでいってもらうことになりました。皆はじめは不安を抱えながらの作業で動きが硬く笑顔も少なかったですが、コミュニケーションを取り作業についての確認や他愛のない話をしていくことで、緊張や不安が少しずつ解消されていったのか表情が和らいでいきました。それに伴って、本当の意味でのコミュニケーションが取れるようになっていきました。

その話の中で学校給食の大変さとして上がってくるのが、衛生や異物混入などの事故についてで、お客様からすると安全な給食が時間通りに食べられるのが当たり前で、私たち自身も当然それを続けていかなければならず、時間内にそれを行うのが大変だと。そういったやり取りでここをこうしようとか、ここが困っているといった、提案や意見を出してくれるようになっていき、一つの現場を作るという感じになってきました。パートさんの中には小学校に通うお子さんを持つ方もおり、あれがおいしかった、また食べたいといわれることもあるそうで、給食のメニューを家で作ってみたと教えてもらうこともあります。

給食が安全なのは当然ですが、それに加えてやはりおいしくなくては。という思いもあります。給食を作っていて一番うれしいのは、子供たちの“ごちそうさま”や“ありがとうございました”だからです。学校給食は食材・調味料・作業手順が指示書によって決まっているので栄養教諭と相談し、可能な範囲での工夫になります。とはいえ、おいしい給食を児童に食べてもらいたいという気持ちは一致しているので、提案は受け入れてくれますし、要望もいただきます。その工夫の結果、残食が少なければなおのことやりがいを感じます。なぎさ小では残食が非常に少なく、主菜・副菜は残食が0㎏というともあります。そういったことは、励みになります。

 同じ食材、調味料でも炒め方や煮る時間などちょっとしたことで、大きく仕上がりの変わるさまは面白くもあります。学校給食という仕事を選んできている方たちなのでもともと料理対する興味を持っている方たちが多いですが、仕事という環境で調理をしてきていないパートも多くいます。そういったパートに指導をしながら、そのことを体感してもらうことで調理に対する興味が大きくなる方も多く、楽しく指導できたりもします。ですが楽しい面があるとはいえ、すべてにおいて量が違うため身体的な疲労も大きく大変ですが皆頑張ってきました。

そういった中で、今年の4月に親子給食が始まり、新たな仲間を加えてスタートしています。配送は私を含めみな初めてのことで不安が多くありましたが、神戸市内で先に親子給食がスタートしている学校へ見学に行かせていただきました。親子給食の様子を知るとともに、面識のなかった同じ自治体で同じように給食を提供している方たちと話すことで、不安が少し取り除かれたように感じます。なぎさ小で調理した給食を保温食缶に配缶し、移動コンテナにいれ、配送トラックに積み込みます。春日野小でコンテナを受け取り、配膳室に取りに来た児童へ渡していきます。春日野小は昨年度までは自校給食室での調理だったので、親子給食はどうしても調理完了時間と提供時間にギャップが出てしまいます。そのために、自校調理と比べると食材に火が入りすぎてしまうので加熱の加減を調整したりしています。配膳室の担当はなぎさ小のメンバーからローテーションで決めているため、見本を盛り付ける際の様子などを聞き参考にしています。

親子給食の開始という新たなスタートから一学期が終わり様子をつかめてきたので、二学期からも引き続き安全でよりおいしい給食を目指して、一丸となって頑張っていきたいです。

峰 達聖

関西支店所属 事業所主任

2021年入社

給食事業所にて調理業務に従事

 

 

 

 

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