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栄養ケア・マネジメントや健康経営でのSDGs
2021.10.22
がんばる仲間たち
投稿者:割田 千晶
古くは「西の西陣・東の桐生」と称された桐生市。
私の勤務する福祉施設事業所は織物産業の街、群馬県桐生市に所在します。
2012年に新設されたユニットケア型の施設であり、定員10人の6ユニットで構成され、それぞれの名前はつつじ、やまぼうし、りょうぶ、こぶし、あじさい、さくら。
この地域で見られる植物の名前が用いられているそうです。
私はフジ産業に2012年に入社し、オープニングスタッフの栄養士として配属されました。
入社間もないころ「1つのユニットが1つの家」という施設コンセプトを伺ったときに、
とても素敵だと思いました。
ユニットには入居者様の居室やキッチンなどがあり、厨房から配膳された食事を職員様が
利用者様の前で食器に盛り付けて提供されます。
厨房からは各形態に分けた人数分のお料理をまとめて各ユニットへ専用カートで配膳して
おり、食形態は常食、一口大、刻み、ミキサーの4種類。
新設当初は入居者様3名からのスタート。
新しくできた施設で提供までの流れも決まっていなかったので、先方様と相談して流れを確立したり、調理方法や効率的な作業を工夫したり、慣れない食材発注に時間がかかったりとすべてが手探りの状況でした。
入居者様も徐々にご入所され、すぐに満床となりました。
朝・夕は入居者様分で約60食、昼はデイサービスの利用者様と職員様分も含めて約80食を調理します。
仕込みはすべて常食に合わせ行い、出来上がったものを少し小さめにカットしたものを一口大、フードプロセッサーで細かくしたものを刻み、と区別して提供していました。
数年経ってから先方様から軟菜食の提供についてご相談を受けました。
フードプロセッサーで刻んだものは食材も何だか分からない、「どの料理も一緒に見えてしまう」という利用者様の声が基になっていたようです。
そこで、刻み食をフードプロセッサーで刻むのではなく、仕込み時に常食用、刻み食用に
分け、小さく薄く切った食材をやわらかく調理するように変更しました。
食材や献立に応じて切り方を決定するまでは施設栄養士様を交えて何度も会議を行い、ベースとなるものを作り上げました。
軟菜食を導入してから今までよりも喫食率が上がったという話を伺った時は何とも言えない気持ちになりました。
開業から10年目に突入して、入居者様の平均年齢も上り、全体の約8割が刻み・ミキサーとなっています。
「ミキサーまではいかないけど刻みでは食べにくい」という入居者様には刻み食を更に刻んで提供する極刻み、ミキサー食を全量召し上がれない利用者様には半量にして栄養価の不足分にエプリッチゼリーを提供するハーフ食など出来るだけ食事を経口摂取していただけるように日々試行錯誤しています。
なかなか外出できない入居者様たちにとって季節感を感じて頂ける行事食は、「嬉しい」とのご意見が多く聞かれるので、今後も継続して喜んで頂ける食事を提供したいです。
私は食べることが大好きです。
生きていく為だけでなく、生活を充実させる為にも食べることはとても大事なことだと思っています。
入居者様にも同じように食事を楽しんで頂けたら嬉しいです。
私も施設と同じく入社10年目ということにご縁を感じながら、今後も日々精進して行きたいと思っています。
2012年入社。CFS事業本部 北関東支店所属 事業所主任
主な業務内容は、献立作成、給食提供、事業所運営管理、
スタッフマネジメントなど。