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心に残る料理

私が勤務する、福祉施設事業所はNHK大河ドラマで話題の「鎌倉殿の13人」源頼朝が建国した鎌倉幕府の中心地、神奈川県鎌倉市に所在します。近くには、鎌倉五山第一位の建長寺、あじさい寺で名高い明月院、国宝大鐘のある円覚寺、鎌倉時代より信仰のある鶴岡八幡宮など、多くの神社仏閣のある古都鎌倉には一年を通じて観光客が多く訪れております。

現事業所は、フジ産業が受託してから4年6か月になります。施設はユニットケア型で定員は特養80床、ショートステイ20床の計100床です。特養80床は入居から終身まで、 入居者様のお手伝いをするところです。

私は、フジ産業に2020年7月に入社致しました。前職は、長崎県島原市にある島原温泉ホテル南風桜で料理長を務めていました。福祉の調理に興味を抱いたのは、怪我をして3か月間入院生活を送ることとなり、術後8回の食事が重湯から始まり3分粥、5分粥、7分粥と進み、主菜もペースト食、刻み食、常食と体調に合わせて食事を作って下さる事への感謝の気持ちから、福祉の調理を経験したい思いがありました。

縁がありフジ産業に入社して現在の事業所で働く事となりました。働いてみて気づいたことは、販売価格の安さ、使用食材の冷凍食品の使用頻度の多さ、売価が安く原価を押えるためには仕方ない事ですが、驚きました。また、食事形態の加工についても、常食でもそのままの大きさではなく包丁を入れ3等分、4等分に切る。刻み食はフードプロセッサーで刻み、トロミ材で汁物を固める。ペースト食は、ミキサーに掛けてトロミ材で固める。ソフト食は、ミキサーを掛けてスベラカーゼ(増粘剤)を入れて加熱して、プリン状に仕上げる。
このように調理終了後の作業の多さに戸惑いながらも、先輩調理師の指導を受けて覚えていきました。今は、主任として教える立場ですが、福祉施設未経験の方への教育は、自分も未経験スタートでしたので、どこで悩んで、何に戸惑っているか、どのように教えれば理解出来て、作業が順調に進むかと自分の経験を活かしています。

現在、スタッフは調理師4名、栄養士1名、調理師パート1名、8時間パート2名、5時間パート3名、計11名で運営しています。

2年前より、取り組んでいることがあります。一つ目は、食事形態を入居者様の健康状態に合わせて変更することです。主に常食の大きさの見直し、一口大の大きさの見直し、刻み食からペースト、ソフト食への変更など施設管理栄養士と話し合いをして瞬時の対応に努めております。二つ目は、入居者様が日々の食事に飽きずに満足をして頂くため、月に1度の頻度でリクエストメニュー、セレクトメニューの導入を施設管理栄養士と話し合いをして作業工程を考慮し実施し、毎月行われる誕生日会の誕生日ケーキを提案、提供しております。季節を感じるようにデコレーションを施し、大変喜んで頂いております。

今年1月より提供させていただきました誕生日ケーキの写真を掲載いたします。

 

毎月の行事食提供は福祉施設では当たり前のことですが、行事食の献立内容について統一献立の提案と施設管理栄養士、現場主任との打ち合わせにより内容を検討して実施しております。日々の食事も重要ですが、行事食やイベント食に心躍らせ、目で楽しむ事も重要ではないかと考えております。

11月に実施いたしました、ブリ解体ショーの写真を掲載いたします。

 

三つ目の取り組みは、人材育成です。観光地の為か富裕層が多い為か人材を補充の為に募集しても応募者が来ない状態が続いておりました。人材不足解消の為に、パートさんの仕事内容の見直しを行い、実行しております。
具体的には、現在調理師4名在籍ですが、調理経験が無い人が2名います。この方々にマンツーマンで調理指導し、独り立ち出来るよう、調理シフトの補充となるようにしています。8時間パートさんに調理を教える、仕込み作業を教える、などの教育を行い、誰でもどの仕事でも問題なく行えるように教育しています。この取り組みには、個人の力量がある為、時間を掛けて取り組んでいます。

最後にフジ産業の皆様におきましては、コロナ影響により感染者対応に振り回される日々がまだまだ続くと思いますが、コロナに負けずにがんばって参りましょう。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。

 

今井 保

2020年7月入社 CFS事業本部 東京支店
福祉施設事業所勤務
2020年12月主任拝命
1日400食の提供 ご利用者様に心に残る食事を提供する様に日々精進いたします。

 

 

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