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給食づくりは楽しさがいっぱい!!

人をつくる「食」と「食」をつくる人

私が調理の世界へ足を踏みいれたのは高校生の時です。レストランでデザートをつくるポジションに憧れて、調理師免許を取得できる学校を選び受験。気が付けば既に人生の半分以上、「食」に携わる仕事に従事しています。

  フジ産業に入社したきっかけは、当時小学校に通い始めたばかりの娘から、「食育」という言葉を給食の時間に教わってきたということを知り、今まで小食で「食べられれば良い」程度にしか興味のなかった我が子が、嬉しそうにその日食べてきた給食の話をする姿を見たからです。「子どもを笑顔にできる給食」を自分もつくってみたいと思い、その後ご縁あって、フジ産業に入社することができました。

集団調理、「給食」の難しさとは

学校給食を調理することの難しさは、すべてが当日の朝の納品から始まることです。調味料の計量や準備等…。大量の食材を、限られた時間と調理器具で、さらにその上で安全を第一優先に!ということを念頭に置いて、調理をすることです。給食を楽しみに待つ生徒さんのためにも、失敗は許されません。

入社当初は、集団調理ならではの作業手順やルール、覚えることの多さにも戸惑いました。

学校給食は毎日違う献立のため、せっかく覚えたメニューも次の日には全く違うメニューになっているのです。うまく動けない自分に、毎回丁寧に指導してくださった主任、副主任の背中、周りで支えてくれたパートさん方の優しさは、今も私の目標となっています。

 働く魅力もたくさん!

飲食店での調理と違う魅力は、その制限された中で行う調理は、絶対に一人では成し得ない、というところです。献立を考えた栄養士先生としっかりと打ち合わせを行い、でき上がりのイメージを共有し、当日は全員が自分の持っている知識の引き出しを広げ、「前回はこうしたけれど、今回はこうしたらどうか」、「もっともっときれいに、効率的に仕上げるには…」と様々な意見を持ち寄り、つくり上げていきます。無事に生徒さんの手にワゴンが届いた時の、達成感はひとしおです。

素敵な方たちとの出会い…

私の今の配属先、豊島区立清和小学校は、有名な巣鴨のとげぬき地蔵尊のすぐお隣にあります。約430食を社員3名、パート従事者5名の計8名で運営している小学校です。4月からの新規校ということで、パートさん方は新たにフジ産業の仲間入りをしてくださいました。皆さん、私とは違い、調理の世界だけではなく、様々な社会経験があり、多角的な視点で物事を捉えることのできる方々ばかりで、そんな色々な見方をできる「人財」に出会い、勉強できるのも、給食の魅力です。

中には、「給食の仕事はやりがいがあって、楽しい!」とおっしゃってくださる方もいます。ご自身のお子さんのために、「給食のメニューを家で真似をしてつくってみたら、本当によく食べたんです!」と嬉しそうにお話ししてくれた方もいました。

そんな仲間と楽しく給食をつくれる毎日は、ただただ、感謝の毎日です。

お客様の笑顔がパワーの源

今どきの小学生の反応は手強いものです。周りに美味しいものや、情報が溢れている環境で育ち、「調理員さん変わったんだね」、「スープのだしが特に美味しいよ」、「今日の肉じゃが、作り方変えたの??」と、大人でも気が付かないようなことにすぐに気が付き、細かい指摘を受けることもしばしばです。しかし、この反応は、子供たちが食に興味をもち、平等に給食が食べられるようにと、長年にわたり社会全体で見守り、教育を行ってきた「食育」の成果のように感じています。

そんな、食べることが大好きで、時に手厳しい意見もストレートにくださる、小さなお客様のためにも、絶対に事故は起こさない!!という強い気持ちで、検品、検収作業から細心の注意を払い、そして「美味しい!」の笑顔を引き出すにはどうすれば良いか…兎にも角にも毎日が勉強の連続です。

  でも、一人では気が付けないことにも、気が付いて教えてくれる仲間がいる。給食を食べた生徒さんから「美味しかったです!」「ご馳走さまでした!」と笑顔をもらうことができたら、チームで頑張った甲斐がある。人と接することが好きな方にはとてもやりがいのある、楽しい仕事だなと、私は思います。

  最後に、給食にはこんなにも、たっぷりと愛情が注がれているのか…ということも、実際に働いてから知ることができました。給食にたずさわる人たち、みんなからの愛情が注がれています。だから家庭では嫌いで食べられないような食材も、給食だとお友達と楽しく食べることができるのだと感じます。美味しく、楽しく完食してもらえたら、次はつくる側の私たちはもっと楽しく!頑張ってつくることができます。

  そんな、愛情たっぷりの給食が、誰かの明日の笑顔に繋がっていけばいいな。と、思いながら今日も給食をつくっています。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

羽根田 通代(はねだ みちよ)

2012年入社

CFS事業本部 東京学校保育園支店所属 調理師

小学校事業所にて、集団調理や事業所の運営業務などに従事

 

 

 

 

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