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御器所(ごきそ)小学校 新規オープン

私が勤務している御器所小学校は名古屋市昭和区に位置し、2023年11月5日に創立150周年を迎えた歴史のある小学校です。昭和区は名古屋市の中央にあり、近くにある興正寺の自然林や鶴舞公園は四季折々の風情を感じる地域住民の憩いの場となっています。

御器所小は今年4月にオープンし、社員3人、パート4人の7名で児童670人の給食を提供しています。新規立ち上げのメンバーとして決定した時は新しい環境で上手くやっていけるか不安な気持ちでいっぱいでした。2022年に入社した私はこれまで3ヶ所の事業所で勤務しましたが、名古屋市の給食経験はほぼ無かったので名古屋市の作業手順に慣れるまでに時間がかかりました。

御器所小は昔ながらの給食室でスチコンや冷却機、エアコンがありません。下処理、調理、洗浄のスペースは調理室内に一体化されていて狭く、調理道具を長年使用しています。名古屋市の小学校はこの現状をふまえて献立は市が毎月作成しています。大量調理に欠かせないスチコンが無いことから、ハンバーグをフライヤーで揚げるメニューがあります。サラダや和え物のボイル、冷却、和えという一連の作業は全て回転釜で行います。回転釜での魚の煮つけは崩れやすく、煮ながら釜を数分おきに奥や手前に傾けて完成させるなど、さまざまな工程において工夫をして作り上げます。

これらの初めて行う工程は思い通りにいかないことがありましたが、作業環境や調理方法に慣れるために名古屋での給食経験がある主任と東京で経験や知識を積んだ社員で試行錯誤しました。
1学期は正確さと時間に追われる日々でしたが、2学期は効率の良い現場になるよう声かけを積極的に行い改善していこうと思います。今後も社員、パートで協力しながら学校側と調理室との信頼関係を構築できるようにしていきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

必要不可欠なコミュニケーション

献立によって個数を数えるものが、多い日だと1日に4種あります。牛乳、パン、デザート、揚げ物を手分けして社員、パートで協力して数えます。ただ数えるだけの作業と思うかもしれませんが、余りの数を確認して進捗を把握したり、数え終わったものをワゴンに移動したりするのでコミュニケーションが重要になってきます。たまに数え直すこともあるので、意思疎通を図り1度で終えることができるようにしていきたいです。

給食づくりはチームプレーであると思っています。作業の指示やミスしたときのフォローは大切です。コミュニケーションを円滑に、的確に行うことでより良い職場になると思います。

食べてほしい給食

御器所小に赴任して4ヶ月、驚いたことは残食が少ないことです。子どもが苦手意識をもちやすい骨の多い魚の煮付けやセロリのソテー、きのこを使用したスープといったメニューは残りやすいです。それでも、タレをかけた魚フライ、セロリ入りのカレー、ソースにきのこを使った和風ハンバーグは残さず食べてくれます。調理方法に関わらず何でも美味しく食べて健康な身体で元気に過ごしてほしいです。

給食時間の前に調理室まで牛乳を取りに来る給食当番の子どもたちは必ず「美味しい給食いただます!」と言います。その後の食器、食缶返却時の「ごちそうさまでした!美味しかったです!」という大きな声からはやりがいを感じ励みになっています。たくさん食べてくれる子どもたちを目の前にすると私たちのモチベーションがあがります。

私は小学生のとき給食が大好きで今でも記憶に残っているメニューがいくつもあり、季節を感じられるメニューや姉妹友好都市のメニューは特別感があり嬉しかったです。今では作る立場になりましたが、給食をきっかけに知らない食材を知ってもらい、野菜や魚などの残りやすい食べ物を食べてもらえるようにしたいです。

2024年度 レシピコンテスト

2024年11月、「さかなの日」をテーマにした社内レシピコンテストで準グランプリを受賞しました。この際に私が考案したのが「オイスターかじきと季節野菜のグリル」です。このレシピは家庭で余りがちなオイスターソースを無駄なく使い切るというテーマで栄養バランスが良いことはもちろん、SDGsに配慮するための工夫を凝らしました。簡単に調理することができ、季節の野菜を使ってアレンジもしやすいメニューとなっています。昔から料理をすることや献立づくりが好きなので、このように評価していただいたことはとても嬉しかったです。これからも会社に少しでも貢献出来るように頑張っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

給食づくりの楽しさ

大人になっても給食を食べることができるのがこの仕事の魅力の1つです。名古屋市の給食は愛知の特産物を使った献立や身近な郷土料理、姉妹友好都市の伝統料理といった食文化に対する関心を高める取り組みをしています。三河湾でとれるにぎすを使ったフライ、ひつまぶしをアレンジしたあなご丼、イタリアのトリノ料理のリゾットがあります。様々な料理を知るきっかけとなるので子どもはもちろん大人になった私も楽しみな給食です。

小林 奏絵(こばやし かなえ)

2022年入社

2025年4月より御器所小学校 副主任

主な業務は、食事提供・現場調理・事業所運営管理・スタッフマネジメントなど

 

 

 

 

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